絶叫脱出ゲーム~奴隷部屋カラ今スグ逃ゲロ~①
この中の何人が命を落とすのかも、わからない。


「行くしかないんだ」


「嫌!!」


あたしの手を掴んで立ち上がらせようとする翔吾を振り払う。


「それなら《奴隷部屋》に戻るか?」


その言葉にあたしは翔吾を見た。


翔吾は真剣な表情をして、まるで睨まれているように感じる。


実際にそうなのかもしれない。


聞き分けの悪いあたしを怒っているのかもしれない。



「この様子じゃ《奴隷部屋》には死ぬ以上に辛い生活が待ってるぞ」


「でも……」


声が震えて、でなかった。


《奴隷部屋》には戻りたくない。


でも、先へ進んでも外に出られるかどうかなんてわからない。


「大丈夫?」


ルキが隣から声をかけて来た。


見ると、ルキの目は赤く充血している。


いつの間に泣いていたんだろう?


その頬には涙のあとがあった。
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