絶叫脱出ゲーム~奴隷部屋カラ今スグ逃ゲロ~①
後ろを振り向くと、桃乃が付いてきているのが見えた。


「でも《mother》の矯正施設……実際は《奴隷部屋》から出て来た人たちだって実際にいるんだ。きっと、俺たちは外へ出られる。大丈夫だ」


そう言い、翔吾があたしの手を握り直した。


そして、またドアが目の前に現れた。


これでもうこのドアを見るのも4度目だ。


人が死ぬと言う感覚も強烈に薄れていっているような気がする。


「このドアを開けたら、また誰かが死ぬ……」


あたしは呟いた。


「朱里の事は、絶対俺が守り通す」


「でもっ……」


一緒じゃないと意味がない。


一緒に死ぬことまで決意した翔吾がいなくなってしまった生活なんて、あたしには考えられないことだった。


その時、ようやく桃乃がドアの前までたどり着いた。


そして真っ直ぐに翔吾を見る。
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