絶叫脱出ゲーム~奴隷部屋カラ今スグ逃ゲロ~①
「翔吾!?」


あたしは思わず翔吾の体にすがりつく。


「朱里……」


翔吾は混乱したようにあたしを見る。


「翔吾、大丈夫?」


そう聞くと、翔吾は何かを思い出したようにハッとした表情を浮かべた。


「桃乃は!?」


そう言い、上半身を起こす。


それと同時に、頭を押さえて顔をしかめた。


「まだ無理しちゃダメだよ」


「でも……」


座った状態で部屋の中を見回し、そして唖然とした表情を浮かべる翔吾。


周囲が血にまみれていて驚いているようだ。


「桃乃は死んだよ」


「え……?」


「この部屋では《憎い相手を殺せ》という指示だった。だからあたし、頑張ったの」


言いながら、あたしはほほ笑んでいた。
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