<BL> お前は俺のものだ。~高松航大side ~
また、あの人が来た。

入ってくるなり


「これが五十音の表だ、これが辞書。
分からないことが会ったら調べろ」


ひらがなの表は、見たことがあった。

母がもうすぐ一年生になるからと買ってくれたもの。

でも、うろ覚えだが何とか分かった。


辞書の引きかたを教えてもらうと全部の言葉が分かるようになった。


どんどん、言葉、漢字を覚えていった。


一回見たものは忘れなかった。





「お前は、頭が良いんだな」


「お前じゃない、航大だ」


「あぁ、悪い」


二、三週間も一緒にいるから、すっかり仲良しになった。


トントン



「二人で楽しそうだね」


「……」


「うぅ、何で僕は慣れてくれないの」


何か凄く緊張する。


「まぁ、慣れた方だろ。
最初の一週間を思い出せば」


「そうだね、触れる前に噛まれてたもんね」


「今は、兄さんがヘタレって分かって下僕としてみれてるんだよ」


「もう、京介は、そう言うことは教えちゃ、めっ、だよ」


「めっ、ってなんだよ。

小児科医って、いつも、小さい子相手に
してるから赤ちゃん言葉になるじゃん、あれあんまり好かない。

それが兄って言うのが一番、キモイ」


「それは、僕だからじゃないの。

遠回しに攻撃してくるのやめて」


「だって、オブラートに包めって言うから」


「包めてない気がする」


「そうかな」


この二人は凄く面白い。


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