異聞三國志
士郎は帰宅して、理沙子にこのことを話した。


「そんな!もしもあなたに何かあれば、私は・・・。」


「理沙の気持ちはわかってるつもりだ。しかし、殺されてもおかしくはなかった、我々を助けてくれた恩人じゃないか、孔明様は。その恩に応えないことは、できないよ。」


「でもその恩は閣下の命をお救いすることで、恩返しはできてるはず。いくら前線でなくても、戦場・・・。命の保証が・・・。」


理沙子は泣き崩れた。

「それに、このお腹には・・・、新しい命が授かっているのに。」

「なんと!ホントに!・・・。わかった、絶対に危ない真似はせずに逃げるから、行かせてくれ。それに僕らには閣下の命を救った以上、歴史を改変してしまったんだよ。だから、この眼でその行く末を見たいんだ、私は。また義務があるように私には思えるんだ。」

士郎には、自分で歴史を改変したという負い目とその行く末が心配でそれが士郎達のいた時代にどう影響するのかを見たいという考えに至っていたのである。

「わかった、行ってもいいから、危ないことからは極力逃げてね。」

理沙子は仕方なく、了承した。
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