異聞三國志
『でも、何か妙案でもあるのか?』

『妙案というより、道理、本来あるべき姿を説きにきたのです。』

『ほう、道理とな。』

『我が蜀は劉禅様は皇帝陛下ではありませぬ。劉協様、つまりは献帝陛下こそが帝。帝を武力で脅迫して、帝位を奪った魏を滅ぼせば、劉協様が皇帝、劉禅様が漢中王、孫権様が呉王であるのが、本来あるべき姿かと。』


『何と!』

実は、黄月英の手紙の最後に、

“呉説得の材料はやはり現状安堵しかないでしょうと、夫も言っております。”


とあったのである。孔明も承知してのことであった。


『なるほどな、でもそれで孫権様が納得されるかだ。』


『現に呉軍は蜀軍に敗走、寿春まで撤退したとのことではありませぬか。これでも、無駄な野心を持ち続けるつもりですか?』


諸葛瑾は黙りこんだ。

『私は納得するが、果たして陛下が納得されるかだ。』


『それは大都督陸遜様ならば出来るはず。』

『それに、この際だ、うるさい孫峻らは、私や丁奉で誅殺してやる。』


『これ恪、差し出がましい。』


『奥方、はじめまして、恪です。庶のやつ、元気にしてます?』
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