雨も好き。
二人きりになっても、なんとなく黙ったまま。

「俺、夏海のこと信じてるから。」

瑛星は唐突にそう言った。

「うん。あたしも。」

あたしも瑛星のこと、信じてる。

そんな事を話していても、駅までの道、いつもは手を繋ぐのに、今日は繋がれなかったのはたまたまとは言い難かった。
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