雨も好き。

翔馬side

よろめくなっちゃんを支えて、我が家まで歩く。

戸を開けようとすると、

ガシャ。

閉まっている。
そうだ、今日は二人ともいないんだった。

「誰もいないみたいだけど...いいの?」

「いいよ?」

よくないのは、僕のほうだった。

家に入るなり崩れるなっちゃんをお姫様抱っこで部屋まで連れていく。

これが僕なことに感謝して欲しい。

こんな無防備で隙しかないなっちゃんを、危なっかしくてほかの男になんかやれない。


─あいつにも。
< 27 / 214 >

この作品をシェア

pagetop