雨も好き。

夏海side

月曜日は補習だ。

今日こそ瑛星に話さなければ。

この間の春花の話を思い出す。

瑛星との思い出は、春花にとって宝物で、きっと一生色褪せることは無い。
もう終わったことなのかもしれない。
それでも、相手の幸せを願う。

瑛星、あんた幸せ者だよ。

「瑛星、この間の話なんだけど」

それだけで何の話かは察したらしい。

「ごめん、その日お母さんの実家に行っててさ。無理っぽい。」

「そっか。じゃあまた今度なんかの時に。」
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