雨も好き。

翔馬side

今まで、夏祭りに誘ったことはなかった。

夏祭りに一緒に行くことは、《特別》なことであって、そこに誘うということは好意があると表現するに等しかった。
意気地無しの僕には、それは告白同等にできっこなかった。

だからさ、

あたしでいいのなんて言わないで。

僕は君がいいんだ。
君じゃなきゃ嫌なんだ。
そんなのとっくに分かっていたのに。
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