夜のひそやかな楽しみ (Spin off 追加しました)
あの人でも走るんだね。
宗雅は倉庫へ通じるドアに寄りかかった。
静まり返った建物の中では、碧の足音が遠くで聞こえる。
名前の意味どおりの人だと思う。
透明で、深い緑色の青色。
見惚れて、底を覗き込む。
そして落ちる。
この時期に落ちたくなかったんだけどな。
身動きが取れなくて、ただ見ているだけだ。
“連れてけばいいじゃない?”
藤井が言っていた言葉がよみがえる。