白衣の王子に迫られました。

「さてと、まずは何からするべきか」

込み上げる吐き気を堪えながら私は頭をフル回転させる。

おそらくどこかから出血しているのではないか。

そう思った私は、ポータブルエコーを持って病室へと出向く。けれど、腹部のエコーでは判断できなかったので、次の検査を考える。

「春野さん、3号室の患者さんにCTと輸血のオーダーしたからお願いね」

でも、返事はない。完璧に無視だ。

「ねえ、聞こえてるんでしょ?」

患者さんの命がかかってるって時に、ふざけるにも程がある。そう思った私は、語気を強めていった。

それでも彼女はチラリともこっちを見ない。

「子供じゃないんだから、いい加減にしくれない?」

感情に任せて彼女に詰め寄る。

そんな私の前に立ちはだかったのは、森下君だった。


< 67 / 77 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop