キケンなお留守番~オオカミ幼なじみにご用心!~
「入るのに、ためらいあったからさ」


「え…?」


「だって、おまえの入った後の湯船とか、ヤバいじゃん」



それってつまり…

『お父さんが入った後のお風呂なんか入りたくない!』ってやつと同じ…!?



「ひ、ひどい…!
そんな嫌な言い方しなくたって…っ」


「ちがうって」


「…」


「その逆だよ。
なんか、意識しちゃうだろ。
おまえが裸でいた場所に入って…同じ湯につかって…とか…いろいろ。
俺だって、お年頃の男のコだし」





は…

どういう…





「それと、おまえの私生活知っちゃうみたいで、いけない気持ちになるんだよ。

『あーあの香りの正体ってこれか』とかって考えちゃって」




不意に、蒼の顔が耳元に近づいてきた。



そして、



くん



と、じゃれつくように、鼻を鳴らした…。
< 120 / 281 >

この作品をシェア

pagetop