キケンなお留守番~オオカミ幼なじみにご用心!~



「もしかして俺って、ずっとそのコのこと好きだったのかな、って。
憧れって思ってたけど、ほんとはリアルに望んでたのかな。

…あのさ、相…」





ぶん





岳緒の言葉を遮るようにケータイがなった。



助かったとのばかりに、俺はすかさずスマホを手に取った。





蓮からラインが来ていた。





『今日は買い物して帰るから、荷物持ちやってよ。
部活終わるの、待ってるから』





相変わらずのツンデレ発言に、胸が少し弾む。



買い物なんてしなくても冷蔵庫一杯じゃん。

蓮のやつ、一緒に帰りたいなら、そう言えばいいのに。





「蓮さん?」


「ああ」



と返事したところで、俺ははっとなって岳緒を見た。



どうしてわかったんだ?



「気づいてねぇの?
おまえってさ、蓮さんとラインすると、ちょっと口元がしまりなくなるんだよね。
へら、って。
そん時ばっかりは、クールな顔がのろけた顔になる」


「は…?んなわけ…」



岳緒はニヤリと笑みを浮かべた。



「なるほどねー。
やっぱそういうことか…」


「……」



意味深な言葉を問い質す前に、岳緒は立ち上がると教室を出て行ってしまった。





それから岳緒は授業をサボったために、結局さっきの言葉の続きは聞けずじまいだった。





けど、すでに俺は岳緒の真意に気づいてしまっていた。



困惑を感じたまま、俺は部活に向かった。






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