僕は、君が好きです。
そう思った時…

ガラッ!

急に教室のドアが勢いよく開いた。

「あっ!真凛~!

こんな所にいたの?」

私の後ろで明るく高い声が響いた。

「あ…絵莉ちゃん。」

「真凛、そろそろ昼休みだよ!

お弁当食べようよ~!」

絵莉ちゃんは笑顔で私に近づいてくる。

「あ、うん。」

「何か探してたの?」

「そうなんだぁ~

なかなか見つからなくて…。」

そう言いながら私はさっきの刷毛を

絵莉ちゃんに見せた。

「今日、クラスの子が一緒に

お昼食べようって誘ってくれたんだけど

真凛も一緒に行こうよ。」

絵莉ちゃんは私の腕に自分の腕を絡めて

歩き出した。

「あ、いいね!皆で食べよう。」

私も笑って絵莉ちゃんを見る。

笑っているけど

それは笑っているフリだった。

泰詩への気持ちが後ろめたくなる。

消せない想いだって気づいてしまった。

でも…

これは決して口にしてはいけない。

気づかないふりをして

今度はもっと強く強くフタをする。

もう二度と溢れでないように。

あの日…

私がそう決めたんだから。
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