僕は、君が好きです。

3章⑦ー泰詩~君へ~vol.28

~泰詩side~

「泰詩…

真凛ちゃん大丈夫か?

今、渋谷が出ていったみたいだけど…

お前も行けば?」

「そっか…」

「そっかっ…て、いいのか??」

隆司が曲の大音量で聞こえにくいのか

片耳を押さえながら俺の方を見ている。

「渋谷が行ったなら、いいよ、それで。」

「はぁ?渋谷だからマズイだろ!」

隆司がワケわからないといった表情で

俺の顔を見返した。

「いいんだよ…」

俺は、それだけ言うと曲を調べ始めた。

「何だよ…全然わかんねーよ…

ズボン…濡らしたり…分かりにくい事して…

必死なのバレてるんだからなぁ…っ?」

隆司が俺の右腕を左肘でつつきながら

顔を覗き込んできた。

「…ばーかっ!

さっきのは、事故だから…。」

そう言って俺は笑って隆司の顔を

チラッと見た。

「事故ねぇ……。」

隆司がそう呟くと、軽いため息をもらした

のが聞こえた。

もう…

そんなのどうだっていい。

もし今…俺が行って

それでまた…

真凛が何かされるかもしれないなら

行かない方がよっぽどいい。

渋谷が行ったなら、それでいい。
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