僕は、君が好きです。

2章①-泰詩~ずっと君が好きだった~vol.9

~泰詩side~

なんだか今日は心底落ち込んだ…。

今朝、真凛を泣かすし…

しかも、友達宣言されるし…

友達なのにいきなり抱きついてきたり

俺がいないと死んじゃうみたいな顔して

俺を翻弄して…。

あいつは、小悪魔かっ!

こんなの本当にキツすぎる。

こんな俺の気持ちなんて

何にも知らないで真凛は

隣の渋谷と楽しそうに話をしてる。

「泰詩~また真凛ちゃん見てんの?」

隆司がバスケットボールを人差し指で

回転させながら話しかけてきた。

「何だよ…うるせぇーよ…。」

俺は隆司をチラッと見た。

「何か機嫌悪くない?

冗談だよ…怒るなって!」

隆司が俺の肩をポンと叩いた。

「なぁ、女の一番の友達が…

男とかありえるのか?」

「はっ?」

「真凛ちゃんに言われたの?」

「…まぁ。」

「泰詩、かわいそう…グスッ。」

「まぁ、男女の友情はあるとか

言ってる奴いるけど

俺は…男女の間に友情はないって

思ってるけどね!」

「男女の友情はなかなか難しいよ?

一緒にいるのはどっちかが

好きだからだろ?」

「だよなぁ……。」

俺もそう思ってたよ…。

でも…真凛のは多分、本気だ…。

本気で俺の事

友達として大好きだと思ってるんだ。

「俺は真凛ちゃんなら

友達でも一番とか言われたいなぁ~。」

「はっ?!絶対、ないからっ!!」

「全否定すんな~。

あっ、もしかしてっ!

友達の好きと男としての好きが

まだわからないだけじゃん?

それって、可愛いけど大変だな~。」

そう言って隆司は苦笑している。

「まさか…っ。」

「赤ずきんちゃんだからなぁ~。

ひょっとするかもよ?」

「だとしても…。」

でも…

そうだとしたら

真凛の気持ちを確かめるには

どうしたらいい?

やっぱ…

俺が自分の気持ちを隠してる限り

どうにもならないよな…。

中途半端だな…俺は

真凛が好きで好きでたまらないのに

自分のものにしたいのに…。

「仲原くん。」

「仲原くん!」

「えっ!あ、ごめん…何?」

振り返るとクラスの女子が

俺の前に立っていた。

この子は確か…

ええと…誰だっけ?名前が出てこない…。

「仲原くん、部活決まってる?」

「いや、まだ…。」

「テニス部に入る?」

「えっ、何でテニス?」

「中学の時やってたよね?」

「うん…何で知ってるの?」

「あっ、大会で見かけた事あるから。」

彼女は少し慌てた様に言った。

「そうなんだ…テニスはやらないよ。」

「そっか、じゃあ…

バスケットボールに興味ない?」

「バスケ?」

後ろで隆司がびっくりした顔をしている。

「何?何?、岸田ちゃんが

泰詩をナンパしてるー!」

岸田さんっていうのか…。

そう言えば…真凛と最近

よく一緒にいたような…。

「佐伯くん、やめてよっ

スカウトなんだから!」

「スカウト?」

「うん、私ねバスケ部のマネージャーに

なったんだけど…

一年生の部員が足りないから

仲原くんどうかなぁと思って。」

「仲原くん、背が高いし運動神経いいから。」

そう言って岸田さんは俺を見た。

長い茶色の髪を編みこんで

リボンのピンで留めている。

なんか…

おとぎ話のお姫様みたいな髪型だな。

昔…よく真凛にお姫様ごっことか

付き合わされたよなぁ…。

あの時、俺は王子の役で…

なんて考えながらボーッと見てた。

「仲原くん?」

「あっ、悪い、まだわからないわ。」

「じゃあ、考えといてくれる?」

「うん、わかった。」

岸田さんは笑うと顔にエクボができた。

まぁ、バスケなんて考えてなかったけど

それもいいかもなぁ。

とりあえず今日、見学にでも行くか。

「隆司、今日バスケ部に見学いくから。」

「えっ?何?

岸田ちゃんに惚れちゃった?」

隆司がわざと少し大きな声をだす。

「お前なぁ~。」

俺は隆司に軽く膝蹴りした。

「じょーだんだよ~。」

隆司が笑いながら両手を上げて見せた。

「たくっ…。」

「じゃあ、待ってますわ~!」

そう言って隆司は、また笑って俺を見た。

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