僕は、君が好きです。
3章①-真凛~やっと気づいたから~vol.17
~真凛side~


あれからテスト期間は

まったく勉強に集中できず

散々な結果だった。

「学年順位…168位/285…。」

「ウソ………。」

どうしよう…こんな順位…。

ママになんて言ったらいいの…?

私が青ざめていると

後ろから肩をポンっと叩かれた。

「えっ?」

振り返ると佐伯くんがニコッと笑っていた。

「真凛ちゃん、テストどうだった?」

「あっ、うん…」

口をもごもごしていると

佐伯くんは張り出した順位を見た。

「そっかぁ~!ドンマイッ!」

「俺も悲惨だから大丈夫だよ。」

そう言うと親指を立てて見せた。

全然慰めになってないよ…

私がため息をついていると

「あーっ、泰詩すげーじゃんっ!」

佐伯くんが急に大きい声で言ったから

私はビクッとなった。

「あっ、ごめん!真凛ちゃん見てみ?」

佐伯くんの指さす方を見ると…

仲原泰詩………………1位/285

泰詩…やっぱりすごいよ。

「ねー、泰詩すごいよね?!」

佐伯くんが私に言うから

「うん…すごい。」

私もうなずいた。

「だってさ!!泰詩~!」

佐伯くんが急にそう言うと

私の肩を掴んで後ろを向かせた。

振り向くと泰詩が私の事を見ていた。

えっ!泰詩…。

どうしよう…気まずいよ。

あの後もずっと

泰詞と顔を会わせられなくて

登校時間もずらして学校でも避けてた。

話すの2週間ぶりくらいだ…。

緊張する…。

ドキン、ドキン…

「泰詩…すごいね。」

「お…おでめとう」

あっ、噛んじゃった…/////!

と思った瞬間……

「ブッ…アハハハハッ!」

泰詩が笑った…。

笑うと涙袋がぷくって膨らんで

可愛いい泰詩の笑顔…。

優しい笑顔…。

私だけに向けてくれた笑顔…。

「真凛ちゃん、泰詩を見つめてる~!」

佐伯くんの言葉にハッとして我に返った。

「何ぼーっとしてんだよ…それより

ちゃんと勉強してたのか?」

泰詩がいつもの口調で話してくれる。

「してたよ!」

私は泰詞と話しているのが嬉しかった。

「嘘つくなよ。

あの順位はヤバイだろ。」

泰詞はちょっと呆れた口調で私を見た。

「だって…難しかったんだもん!」

私はいつものように答えた。

「たく…わからなかったら

いつもみたいに聞きに来いよ!

バカ。」

「バカ?ひどーっい!!」

そう言いながら

私は顔を膨らませた。

でも本当は

泰詩とまた前みたいに話ができて

嬉しい。

嬉しい。

嬉しい。

気持ちがフワリと弾む。

私が、ニコニコしていると

そんな私を見て

泰詩はフッと、微笑んで

私の頭に軽く触れた。

ドキン…

心臓が跳ね上がる。

「あのさ…

朝、一緒に行くの嫌なの?」

泰詩が私の顔を覗き込んでいる。

私は恥ずかしくて

下を向いて目を反らした。

「違う…あの…

ちょっと気まずくて。」

「俺と話したくない?」

「そんなんじゃないよ…。」

そう言って私が顔を上げると

ドキ…!

泰詩が私を見つめていた。

ドキドキ…

心臓が高鳴ってくる…。

「俺は真凛と一緒にいたい。」

「え?」

泰詩…。

急にどうしたの?

私が驚いた顔をしていると

泰詩は優しく笑った。

「もう避けるのなしな?」

「うん…。」

「あと…勉強!分かんなかったら

ちゃんと聞きに来いよ…?」

そう言ってまた笑った泰詩。

「うん…ありがとう。」

この心臓のドキドキが

聞こえてしまうかも…。

私…

泰詩が好き。

ただ、それだけ。

この気持ちが恋なんだ…。

「じゃあ、またな。」

そう言うと泰詩は

教室の方に歩いて行った。

私……ちゃんとしなくちゃ…。

でも…どうしたら。

そう考えながら

教室に入ると…

渋谷くんはいつものように

自分の机に腰掛けながら

窓から校庭を眺めていた。

「…渋谷くん。」

渋谷くんは私の声が聞こえないのか

窓を見つめたままだ。

「渋谷くん。」

私がもう一度呼ぶと

「どうしたの?」

窓を見たまま答えた。

「あのね…。」

「あの私…渋谷くんにちゃんと

言わなきゃいけない事があるの。」

「今、仲原と何話してたの?」

急に渋谷くんは振り向いて

私をジッと見た。

「今?」

「うん…仲原と廊下で話してたよね?」

ドキ…

渋谷くん、見てたんだ…。

「別に大した話じゃないけど…。」

「それより、話があって…。」

その言葉を遮るように

渋谷くんは続けた。

「ねぇ!教えてよ、知りたい…。」

あの日渋谷くんのキスを拒んだ事…。

渋谷くんはあの日の事

一言も口にしない。

そんな渋谷くんに甘えて

私も何も言えずにいた。

けど渋谷くん、あの日から

何か少し変わった気がする。

「あの…私…。」




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