Hospital waste
アレックスは出版社、新聞社の依頼で戦闘地帯をカメラやビデオで撮影し、記録報道する戦場カメラマンとしての仕事をしていた事もある。

仕事は常に死と隣り合わせである為、過酷で劣悪な環境に加え、睡眠不足、空腹、飢え、更に神経を削るようなストレスに耐えるサバイバル能力を持ち、常に危機感を保持し、自らの身の上に起こるリスクを減らす努力を常に怠らず、加えて目の前で起こっている事実を冷静に主観を交えず客観的に伝える事ができる能力を持つ。

冷静、客観的でありながら何よりもその根底には強い正義感、不公正に対する憎しみという、一見アンビバレンスな要素を持ち合わせている。

だが、その熱い内面はあまり表に表さない。

『ヤバい仕事ほど金になる』

そう嘯くのは、照れ隠しか。

今日もカフェで出版社の人間と打ち合わせしながら、アレックスはコーヒーを口にする。

< 2 / 200 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop