境界線



「社長は俺に会社を預けるつもりでいたということを聞いた。

でも社長の親族でも
何でもない俺を社長をするのは、どうしても社員の反感をかうと、社長が言った。

そこで社長が提案した。

桜さんと婚約するという嘘を。」


う、うそ?


え、私がいつも嫉妬していた社長の娘さんは

そもそも私の敵だった訳じゃないってこと?


「もちろん、俺が安定できるまでの嘘だったが

その嘘を公表する前に、俺がお前に手を出しちまった。
あれは俺も悪いけど
俺を煽ったお前もなかなか悪い。」


「な!?」


煽ってませんけど?


「お前があの歓迎会で、加藤なんかとベラベラ喋ってるから、悪酔いしたんだよ。

で、俺を介抱してくれて
我慢できなくなったの。だから、お前が悪い!」


子供か!


「お前はそのことを無かったことにしよーとしてたし、
それにもイラついて、とりあえず、

俺が安定するまでは、セフレっていう名の関係で
縛るしかなくなったの。」




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