境界線


「っんぅ。」


一瞬、曇った顔をしたかと思えば、すぐに男の顔。


一歩遅かった。


やばいと気づいたころには、もう私の目の前にいた。


やばい。抵抗してるのに。


それも全部甘さにかえられて。とけそう。


こんな刺激的なキス初めて。



甘くとろけた、私の頭は無機質なシャッター音によって目が覚める。



「最低っていうわりには、婚約者がいる男からキスされて、逆に求めてくるなんてお前も共犯だよ?」

そーいって、その写真を見せた。

< 7 / 36 >

この作品をシェア

pagetop