境界線
「っんぅ。」
一瞬、曇った顔をしたかと思えば、すぐに男の顔。
一歩遅かった。
やばいと気づいたころには、もう私の目の前にいた。
やばい。抵抗してるのに。
それも全部甘さにかえられて。とけそう。
こんな刺激的なキス初めて。
甘くとろけた、私の頭は無機質なシャッター音によって目が覚める。
「最低っていうわりには、婚約者がいる男からキスされて、逆に求めてくるなんてお前も共犯だよ?」
そーいって、その写真を見せた。