ブルーウィンズ~ラブソング嫌いなボーカリスト~
「もし、そうだって言ったら?」
これじゃあ、普通に『はい、そうです』って言っているようなもんだ。
言ってから思う。この答え方で本当に良かったのかって。
「別に。このグループのファンってメンバーの彼女になろうとして
必死な奴らばっかりだから俺は好きじゃない。
俺はそんなファンを増やそうとしてこのバンドをやっている訳じゃないから。
だからもしあんたがそんなファンだったらもうここの音楽室にはライブする日以外来んな」
一瞬あたしの話を聞いて笑ってくれたと思ったのに
やっぱり彼の心は冷たさでいっぱいだった。
まだ何も言っていないのにそう決めつけられたことがすごく……
あたしはショックでたまらなかった……。