イジワル同居人は御曹司!?
AM12:00

奏さんはまだ帰って来ない。

私はダイニングの椅子の上で体育座りをしながビールを飲む。

滅多に買わない高級な銘柄だ。

いつもより張り切って作った夕飯も冷蔵庫の中にしまってある。

スマートフォンで連絡しても、何度か呼出し音が鳴った後に留守番電話に切り替わる。

仕事なら会議中でも繋がるのに。

「何してるんだ、メガネめ」

私はビールを一気に飲み干す。

待っていても帰って来そうにない。

目の前には空き缶をいくつも積み上げて作った高いタワーが出来ている。

私はすっかり酔っ払ってしまった。

しゃっくりをしながら私は自分の部屋へと戻る。

ベットに寝そべると、あっと言う間に意識を失った。


結局この晩、奏さんが帰ってくることはなかった。
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