イジワル同居人は御曹司!?
「わかりました」

私は同意したものの、ただし、と言って付け加える。

「いくら身体で払うと言ってもセクハラの類は厳禁です」

奏さんは私の頭からつま先まで視線を巡らせてフンと鼻で笑う。

「絶対にない、とお約束出来るので安心してください」

そこまで自信満々に言われるのも何だか癪に障る。

乙女心って複雑だ。

「私からも一点」

奏さんは真っすぐに私を見据える。

「藤田さんとはこれから一緒に仕事をしていくことになります」

確かに。

奏さんは私の参画するプロジェクトのコンサルタントだ。

会社でも嫌が応にも顔を合わせる事になるだろう。

「同居の事は歩意外には口外しないでください。絶対に、です」

「それについては私も大賛成です」

私は何度も深く頷く。

特に桜井の耳に入り、あらぬ誤解をされるのは絶対に避けたい。

初めて奏さんと私の意見がスムーズに一致した気がする。

奏さんはパソコンのword画面を起動させる。

話し合った結果を高速でタイピングしていき、契約書を作成する。

セクハラの件も「ボディタッチや過度なスキンシップは契約違反とする。違反した者は5万円以下の罰金に処せられる」と明記してくれた。

これで一安心だ。
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