淋しがりやの心が泣いた
「そういう挑発的なことされると、俺も男だからさ」

 ボボっと火がついたように、央介くんの顔が赤くなったような気がした。
 瞬間的に戸惑った彼だったけれど、私の後頭部に手を伸ばし、今度は自分から私の唇を奪う。

「前から南ちゃんが好きだったんだ。ずっとずっと、こうしてキスしたかった」

 そのやさしいキスが嬉しくて。
 また ――― 心が泣いた。

 私は央介くんさえいてくれたら、淋しくなんてなくなる。
 これからのそんな毎日が楽しみで仕方ない。

「南ちゃん、クリスマスプレゼント……明日渡すね」

「そんなのいいよ。私は央介くんさえ傍にいてくれたらそれでいいいもん!」

今日は聖なるクリスマスイヴ。
私と央介くんの白い息が混じっては消えていく。

世界中の恋人たちが、今夜は幸せに過ごせればいいな。

みんなみんな、幸せになれますように ――――



☆ おわり ☆


< 41 / 42 >

この作品をシェア

pagetop