花色のキミに愛し方を教えてあげる。

黒木side

彼女の体に段々増えていく
赤い小さな花


彼女が長袖のパーカーを着ているのは
それを隠すためだ




見るに見かねるそれは
俺がどれだけ言っても
やめようとはしない

多分この先どれだけ
俺が本気で言っても
きっと彼女は聞いてくれはしない


そんな無力な俺を
彼女は多分この学校一
信頼してくれている。

“複雑”
そんな言葉がぴったりの
俺の心情を彼女は知ってはくれない



そしていつも
絵を見るのを口実に
彼女と話している

少し目を離すと
消えてしまいそうなほど儚い

だから心配で心配で仕方ない


もし、彼女が夜に家に居てくれるならば
俺の家に泊めてもいい

けどそれはかえって気を遣わせてしまう

それにそれは俺じゃない




俺じゃ…ない


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