…だから、キミを追いかけて
私の代わりに澄良が答える。刺身だって作れるし、上手なんだから…と。

「なんだ…やっぱ人間だったのか。ネコなら丸ごとガブリだもんな!」

あくまでも人と認めようとしない。本当に腹の立つ男だ。

「だから私はネコじゃないと言うてるやろ!キャキャ、キャキャ言うて、波留は本当にサルやね!!」

蟹と戯れてなよ!…と放り投げた。


「サルと蟹……昔話みたい!」

澄良がクスクス笑いだす。
バツが悪そうな波留の顔。

照れている様に見えたのは、それが初めてだった……。


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