桜の龍~誠の元に集う者~
歩「そんなに落ち込まずに・・・」
丞「そないな事やったら、仕方あらへんな。風邪に気ぃ付けるんやで?」
歩「はい、おやすみなさい」
近藤さんと山崎さんの二人を見送り、部屋を出る時に持ってきた綿入れを着込み、火鉢に当たりながらぼんやりと物思いに耽る。
歩「何故、雫も一緒に・・・」
何かが、動き始めるとでもいうの?




翌朝ーーー
歩「おはよう、雫。よく眠れた?」
雫「うん、おかげさまで」
雫の様子を見つつ、制服に着替えさせ、お互い、何があったのかを話して彼女の緊張をほどく。
そこへ。
藤「おはよう、歩!」
歩「あっ、平助」
軽快な足音を立てて、私の部屋を訪れたのは平助だった。
藤「土方さんが、お前とそいつを呼んでたぜ」
歩「平助が呼びに来たって事は、幹部全員、広間でしょ?すぐ行く」
左手に『桜花龍』を持ち、腰に『東雲』を差してから、平助と共に雫を連れて広間に入ると、既に幹部全員が座っていた。
歩「只今、参りました」
土「おぅ、適当な場所に座れ。お前もだ」
雫「は、はい・・・」
どうやら、先程の緊張がぶり返してきたらしい。普段の私の声より少し低い声が、わずかに固くなる。
歩「大丈夫。顔は怖いけど、根はやさしい人達ばかりだから」
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