桜の龍~誠の元に集う者~

人斬り

 今「お願いします!」
 要するにこれは道場でやってた、門弟への指導だと思えばいいんでしょ、多分。それにしても、熱心にお願いしてるな。
 歩「分かった。拙者の指導は厳しいから、覚悟しろよ?」
 今「はい!では、明日から副組長のことは“師匠”と呼ばせていただきます!!」
師匠ね~。普段はそれでいいけど、任務に支障をきたさないようにしないと。
 歩「別に構わんが、公私は分けろよ?」
 今「はい!」
 歩「帰って、巡察の支度しろ」
 今「はい!では、お先に失礼します」
そう言って、今野は道場を後にした。
 さて、私も巡察の支度しがてら、私物整理するか。
 歩「では、私もそろそろ・・・」
 総「お疲れさま。午後から巡察だからね~」
 歩「分かってるって。もうじき、私の隊服も届くらしいし」
初仕事だ~。頑張るぞー!
 歩「お先に失礼します」
 上司二人に一礼し、道場の引き戸を開けた瞬間、入って来ようとした誰かと激突した。


 バフッ 歩「アブッ?!」
尻餅をついた私。誰だろ、隊士の誰かが忘れ物でもしたか?
 歩「あいててて・・・?「おぉ、すまんすまん。大事は無いか?」
 隊士達ではない、聞き慣れない野太い声。誰だろ?でも、ぶつかったんだから謝罪しないと。
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