めんどくさがり系女子の恋愛事情
6 夏美side



ーーーーー


学校に行くのは体育祭以来。


ケガはまだ治ってないけど、相変わらずいつも通りを振る舞っている。





教室に入るとすでに来ていたクラスメートたちがこっちをガン見してきた。


…さすがにこの人数に見られると、居心地が悪い…。



しかしそんな私にはおかまいなしに


「青山さん、大丈夫!?」

「あ、来た来た!」

「ケガしてたのにリレー走ったんだって!?」

「それなら言ってくれれば代わったのに!」

「お前じゃ青山さんの代わりになんねーだろ(笑)」

「そのおかげで体育祭優勝したし…青山さんには感謝しかないな!」

「ほんとにありがとう!」




次々とみんなが話しかけてきた。



…私は聖徳太子じゃないんだ。


一斉に言われてすべてを理解できたわけではないけど


どうやら体育祭は優勝したらしい。



「…優勝できたのか。

よかった。」



「え、知らなかったの!?

もう誰か教えておけよー」



「まぁ、いいよ。」



「それにしてもさ!

なんでケガしてたのに走ったの?」



普段朝からこんなに話さないから疲れてきた。


これは授業中寝るしかないな。


というか、そろそろ席に座りたい。


いろいろとめんどくさくなった私は


「別に。

私が任されたことだから

最後まで責任持ちたかっただけ。」



と、めんどくさげに言うと、スタスタと自分の席のほうへ歩いて行った。





その後ろで


「か、かっこいい…。」



と誰かが呟いたことに気がつかなかった。







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