理系教師のオトし方
二人きりの授業
終業式も終わり、あっという間に夏休み。


休み初日だというのに、私は今日も制服。


空は真っ青、蝉はうるさい、今日も暑い。



憂鬱な気分のまま、私は補習のために学校へ向かった。



夏休みの学校は、いつもと少し雰囲気が違う気がした。


女子校特有の黄色い声が一切しない。


聞こえるのは、部活動中のテニス部の掛け声くらいだ。



ロッカーで靴を履き替え、階段をのぼっていると、後ろから足音が聞こえた。



「ちゃんときたか。」


立ち止まって振り向いた。


夏川先生だ。


先生は、私を追い越して階段を登っていく。


「どうした、ほら、行くぞ。」


止まっている私に、相変わらず無表情で言った。


「はーい。」


先生、今日はワイシャツじゃなくて、Tシャツ着てるんだ。


夏休みだもんね。


なんか、いつもと雰囲気違う。


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