し・か・え・し
就職祝


ほとんど毎日健斗から
電話がかかってくる。


話上手というか
話が途切れることもなく
いつも20分くらいは話してる。


夜景の話になって
「あたしあまり見に行ったことない!」
と言うと連れてってやるよと
言うことで明日夜景を見に行くことになった。


東京に出てきてすぐ思ったのが
都会の空気の悪さと
夜に空を眺めても
きれいな星が見えないことが
残念だと・・・。


広島の夜空は星が輝いてて
その空を眺めてると
心洗われると言う感じ。


健斗はいつも集合時間より早く来ているから
あたしも負けずと早く行くと
今回は来ていなかった。


遅れること15分後
健斗が現れた。


「ヨシ!勝った!」


【こんばんは】でもなく【お疲れ】
でもなく いきなり勝った!と
言ったものだから健斗は唖然としていた。


そして「女の子と会っていきなり
勝った!と叫ばれたのは始めてだよ」
と笑っていた。


「いつもあたしが待たせるから
今日こそは!と思ってね
勝負あり!フフフ」


「プッ」


と吹いたかと思うと笑い続けていた。


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