ホワイトデーの奇跡【完】
そこからは、もう。
ガシャンッ――という派手にものが倒れる音。
たまちゃんの怒声。
呆然と天井を見上げる私の耳に、それらの音だけが聞こえていた。
“なにしてんのっ!!自分がなにしたかわかってんの!?”
“ふざけんなっ!!ふざけんなよっ!!”
私は、どうやってその場から出たのか。
立って歩いて、龍平さんの部屋を出たのか
あまり覚えていなかった。
あのときと同じ。
あのときと同じだった。