ホワイトデーの奇跡【完】
「…さくらさん…ですか?」
『うん…初めまして。蒼井さくらです』
「咲です…私、武藤咲です。わぁ…お兄ちゃんの言ってた通りだ」
咲ちゃんは、私を見るなり、瞳をキラキラと輝かせて近づいてきた。
「甘くてふわふわの綿菓子みたい…」
『……武藤くん』
どうして…食べ物なの?
「いや、間違ってないでしょ?」
『…間違ってるよ』
人を表すのにどうして食べ物になるの…。
武藤くんをじとっとした目で見る私と武藤くんの姿を、咲ちゃんはなぜか嬉しそうに見ていた。