「先生、それは愛だと思います。」完

「文ちゃんは本当にピースに似てるな」
「ぴーす?」
「俺が飼ってる文鳥。真っ白でくちばしがピンクなんだ」
「私は鳥ですか……」

そうですか。私は先生にとってペット的な位置なわけですか。
果たしてそれは生徒よりも上なのか下なのか、どっちなんですか。そこが重要なんですよ、先生。

「……先生、私、謝んないですからね。この間キスしたこと」
ぽつりとそう呟くと、私の頭を撫でる先生の手が止まった。
「はは、謝る必要ないよ。ただ久々にしたから少しびっくりしたけど」
「……そ、そうだったんですか……」
「それより最近避けまくってたことを謝ってほしいね」
「そ、それはだっていや、あの、すみません……」

だめだ。まだ熱があってくらくらする。
一度先生から目を逸らし、瞼を閉じた。
全身が熱い……。

先生、私、謝らなくていいんですね。この間のキスのこと。
怒ってないということは、またしてもいいってことですか。
できればもう一度したいです。
だって、あの時すごくドキドキしたし、一瞬先生を手に入れられような気分になったんだもの。
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