麗しき星の花
 誰もが安全に暮らし、平和の中で笑っていられる世界を。

 そんな世界を見せたいのだと、そう語る皇太子をヴァンガードは嬉しそうに見守った。それこそ彼が勇者たちに見せたかった世界。

 貴方が救った世界は、こんなにも美しいのだと。

 見せてあげたい。



 双子はルドルフから離れた。ルドルフを挟みながら、視線を交わす。

「……どうする?」

「……みんなと、離れたくない、けど」

「でも、なんか行った方が色々、みんなのために良さそうだ」

「うん。迷惑……かけちゃうし、心配も、かけるから……」

 2人の会話に、ヴァンガードも混ざる。

「向こうにはフェイレイさんよりお強い方がいらっしゃるそうですよ」

「えっ!」

「その方々と武芸に励んで、強くなって帰ってきたら……今度こそ勝てるかもしれませんね」

「おお……」

 シンの目が輝き出す。心が揺れ動いているからだろうか、異世界の話が少し楽しく感じられてきた。そんな兄に気づいたリィは、首を傾げながら訊いてみる。

「……2人で、頑張って、みる?」

 シンは一瞬だけ迷った後、しっかりと頷いた。

「うん。行くか、異世界!」

 前向きになりだした2人に、ルドルフは安心したように笑顔になった。そうして、手向けの言葉を送る。

「異世界で出会う人々が、君たちにとって良き人でありますように」



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