過保護な彼にひとり占めされています。
「残業って……最悪」
「あ、あはは……頑張ってください」
落ち込む名波さんはかわいそうだけれど……理崎さん、なんていいタイミング!
心の中で手を合わせてお礼を言うと、仕事に取り掛かろうと台の上の箱に参加賞のポケットティッシュを詰め込む。
今日は、自分の気持ちを伝える。
考えただけでドキドキする。緊張する。なんて言おう、なんて言えば、どう言えばいいんだろう。
言葉はまだまとまらない。ただ伝えたいという気持ちばかりが、前のめりになって。
すると突然、目の前でコツ、とヒールの止まる音がした。
「ん……?」
誰か来た?
そう顔を上げると、なんと目の前に立つのは黒いコートに茶色いブーツを履いた女性……成宮さんだった。
「どうも。お疲れ様」
茶色い巻き髪を耳にかけながら、そのマスカラの濃い目元はこちらをみて笑う。
な、なんで成宮さんがここに……!?
驚き、裏返りそうになる声を必死に堪えて挨拶をすると、ぺこっと頭を下げた。