過保護な彼にひとり占めされています。
「おい、邪魔」
「うぉっ!?」
その時突然背後から聞こえた声に驚き振り向くと、そこにいたのは大きめのダンボールを抱えた理崎さん。
声をかけられるまで全く気配がなかっただけに、大きく驚いてしまう俺に、ダンボールの上からのぞくその顔はいつも通りの無愛想だ。
「す、すみません」
俺が道を塞いでしまっていたのだろう。慌ててよけると、理崎さんがスタスタと向かうのは俺が行こうとしていた先と同じ。一階奥にある倉庫だ。
「それ、この前イベントで使った道具っすか」
「そ。名波の奴『私が降ろしておく』って言ってたくせに、車に積み込みっぱなしでな」
「名波さん、しっかりしてるけど忘れっぽいですしね」
笑いながら倉庫に入りパチ、と電気をつけると狭い室内には棚やダンボールに詰め込まれた、様々なイベント用具などが置かれている。
その部屋の端で、理崎さんはダンボールを台の上に置いた。
「なにかあったか?」
「え?」
すると、突然のその問いかけに俺は首を傾げる。