過保護な彼にひとり占めされています。

何度でも






『ごめんね。……やっぱり、相葉とは付き合えない』



クリスマスの夜、自分が伝えたひと言。

それは、臆病な自分のこころ。







クリスマスから3日が経った、水曜日。時計の針がもうすぐ12時を指そうとしている頃。

オフィスの片隅で、突然ピー!!と鳴った甲高い機械音にはっと我にかえると、目の前のコピー機からはぐしゃぐしゃになった紙が排出されてきた。



「わぁ!?まっまずい!紙詰まり起こしちゃった!!」



コピー機調子悪いって聞いてたんだから、もうちょっと気をつけて見ておくべきだった……!

ぐしゃぐしゃのボロボロとなった用紙に、ピー!ピー!と騒ぐコピー機の音。それらに「はぁ……」と深い溜息をつく。



最近私、ぼんやりしすぎかも。

その原因は分かってる。相葉のことばかり、考えてしまっているせいだ。





クリスマスの夜に相葉に伝えた告白の答えは、臆病さ故の、拒絶。



……最低だ、私。

向き合うことより、逃げることを選んだ。自分を守ることばかりを考えて。




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