いつか晴れた日に

「……ちゃん」

そっと肩を揺すられた。

「……んっ?」

寝返りを打って、もう一度眠りにつこうとするけれど。


「怜奈ちゃん、朝だよ。そろそろ起きないと遅刻する。トーストも焼けたよ」

そうね、確かにパンが焼けた香ばしい匂いがしてる。
ああ、美味しそう。
トーストにはマーマレードを塗るのが好きなんだけど、生憎切らしていたっけ。

……って、あれ?
薄っすらと目を開けると、そこには涼のドアップが。

「ひっ!?」

「おはよう」

涼はニッコリと満面の笑みを浮かべている。


「お、おはよう」

そうだった。昨夜も涼を泊めたんだった。

「お弁当、出来てるよ。顔を洗っておいで」

「うん。ありがとう」

冷たい水で顔をバシャバシャと洗う。少しクリアになった頭で考えるけれど。
やっぱり、これはマズイんじゃないの?



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