好きですよ、先輩。(仮)

step5



春斗さんのデート提案は結局断ることはできずにあたしは春斗さんとショッピングモール内を散策していた。


「おまたせしました、先輩。


これどうぞ。」


絶対に動かないように、という命令つきで春斗さんがどこかに行って数分、お手洗いにでも行っていたのかなというあたしの思考とは裏腹に春斗さんはカップに入ったフルーツドリンクのようなものを片手に戻ってきた。


「あ、ありがとうございます。


…ってお金!」


あたしが急いで財布を出そうとすると春斗さんは「これくらい奢らせてください」と、あたしの動きを阻止した。


「でもお礼は…」


「お礼は今もらってますから。」


あたし、なにかしたっけ?


でもこのまま言い続けても譲ってくれそうにないし…


「いただきます…」


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