好きですよ、先輩。(仮)

step7



…そういうわけで今現在、あたしは春斗さんを乗せて車を走らせています。


あの後、結衣先輩から


『用紙、まだあった☆』


というこんな状況じゃなきゃ間違いなく怒ってたようなメールが来たおかげで事務室による必要はなくなり、そのまま春斗さんを車まで連れて行った。


社内を出るとき、結衣先輩に事情を一通り説明したところ外出許可はもちろんもらえたけれどなぜか「がんばってねっ☆」なんてことを言われてしまった。


「ほんと巻き込んじゃってすみません、先輩」


申し訳なさそうに謝る春斗さんにこういう時は素直に謝れるんだ、なんて思う。


「…気にしなくていいですから。


それより朝から風邪薬とか飲んできましたか?」


あたしがそう尋ねれば春斗さんは少しきつそうに


「あー…えっと


風邪薬かわかんないんですけどそこらへんにある薬適当に飲んできました。」


「えっ!?


だめですよ!そんなことしちゃっ!!」



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