【大幅加筆】クール男子の取扱説明書
「えっとね~……うーん」
照れないで答えなさいよ、中村。
私は内心、ドキドキしながら中村の顔をじっと見つめる。いつもは冷静そうに見える中村が、なんだか顔を赤らめているのがわかる。
心臓がちょっと早くなるのを感じながら、
「佐倉くん」
と、小さく答えるのを聞いた瞬間、私の頭の中で一気にいろんなことが渦巻いた。
ちょっと待って、佐倉くんってあの佐倉くんだよね?優しい顔の、今井くんの親友の佐倉くんだよね?
心臓がどきどきして、手のひらがちょっと汗ばんだ。
「そ、そうだったの……!!」
思わず口が勝手に出てしまった。すると中村が小さく頷く。
「うん……」
「い、いつから!?」
思わず声が大きくなってしまう。
「あんたが、佐倉くんのことを知った時……あの、焼きそばパンから連絡取ってて?」
中村が柄でもなく照れているなんて、可愛すぎて目が離せない。
乙女がいる、ここに乙女がいるぞ!
なんて思いながらも、気づくと私は自然に笑みを浮かべていた。
「ねぇ、由良」
「ん?」
「昼休みのこと教えなさいよ」
「ナンノコトデスカ」
ごまかそうとしたけれど、案の定ほっぺをつねられて、「いひゃい!いひゃい!」と思わず叫んでしまった。
昼休みのことを話すのは恥ずかしい、絶対に馬鹿にされる……でも、痛みで思考はあっけなく消えた。