PRINCESS SWORD―姫のツルギは恋を貫く―

「この一枝は病んでいるんです」



昼休みになって、わたしは屋上に向かった。



長江先輩の屋上プチハーレムは、今回もそこで開催されていた。


広げられたレジャーシートの端のほうには「襄陽学園理事」と書かれている。


理事長室の備品だ。



教室嫌いの人たちが屋上から立ち去るのを見送りながら、わたしは長江先輩に尋ねた。



「こういうこと、いつもやってるんですか?」


「まあね。いつも同じメンバーってわけじゃないけど。鈴蘭ちゃん、おれのこと気になる?」


「違います。でも、長江先輩がやっているのはカウンセリングみたいで、そういう意味では気になります」


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