PRINCESS SWORD―姫のツルギは恋を貫く―
長江先輩が大げさに腕を広げた。
【あ~ぁ、そんな目立つことやっちゃって。校庭の皆さ~ん! 海ちゃんの姿を見ても、見なかったことにして! 全部、忘れてね!】
煥先輩が障壁《ガード》を消した。
長江先輩がレジャーシートを畳む。
わたしは呆然と座り込んだまま、頭が働かない。
長江先輩がレジャーシートを抱えて、屋上の出入口のドアを開けた。
「お二人さん、まだここにいる? 好きに使ってくれていいよ。屋上に近寄るなって、全校に号令《コマンド》してあるから。んじゃね」
手を振って、長江先輩は校舎に入っていった。