Heaven~第一章~
マンションの下にはさっき乗って来た黒塗りの車。
助手席に嵐。
後部座席には私と獅朗。

来る時は後部座席に3人で窮屈だった。
けど今は2人なのに窮屈。

獅朗と私の距離がおかしい。
肩が触れるくらい近い。


「近くない?」

「そうか?」

「近いよね?」

「別に」


私は少し身を乗り出して「あんたらのトップって話通じないの?」と聞くと、嵐がチラッと後ろに座っている獅朗を見て笑いながら「時と場合によるんだろう」と言ってまた前を向いてしまった。

アウェー感ありあり。
誰にも私の話は通じないらしい……

はぁ~
諦めてドサッとシートに寄り掛かった。

そして車はゆっくりと走り出した。


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