フェアリーサイン
第12羽、居場所


「ふぅ……」




教室の前で深呼吸。これはあたしの日課。



築何十年の古い引き戸のドア。木製で簡単に開くのに、あたしにはそのドアが重く感じる……。




中から聞こえる笑い声がさらに胃に重くのしかかるように感じる。



さぁ、今日も演技の時間。



楽しく笑って、1日を乗り切るんだ。



そんな自己暗示に近い言葉を呟いて、教室のドアを開ける。







けど……。


< 83 / 120 >

この作品をシェア

pagetop