王道恋愛はじめませんか?



不意に黙り込んでしまった彼女。

さすがにストレートすぎたか、と彼女の顔を覗き込もうとするも、彼女がイヤイヤと俺から顔を逸らし続ける。


「…みのり?」

『っ……ズルいよ、嘉人くん。』


『いつもズルい。』と、いきなり可愛らしい暴言を吐いてくる彼女に、俺は苦笑いを溢してしまう。

いつも彼女が照れるときは必ず、俺のことを“ズルい”と言いながら顔を真っ赤にさせているのだ。

――それはきっと、今も同じなのだろう。


「ズルくたっていいよ。」

『!』

「俺はズルしてでも、みのりのこと、一生離さないと思ってるから。」


きっと今までで一番可愛い表情をしているだろう彼女に、ずっと背を向けられ続けているのがいじらしくなって、そっと彼女の肩を掴んで、俺に向き合わせる。

案の定、振り返ったみのりはこの上ないほどに顔を真っ赤にさせていて。

リンゴっていうより、トマト?――なんて、どっちでもいいか。


「好きだよ。」

『…っ』

「これからも、俺の傍にいてくれる?」


恋愛の先にあるものに、必ず手が届くとは限らない。

けれど、彼女となら――きっと、共に踏み出していけるはずだ。


『…はい。ずっと一緒に、いさせてください。』


そう言って、彼女と過ごすであろうこれからの未来を思い描きながら、瞳を潤わせつつも、コクコクと首を縦に振る彼女に、そっとキスを落とすのだった――。


~~Fin~~
< 190 / 190 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:68

この作品の感想を3つまで選択できます。

  • 処理中にエラーが発生したためひとこと感想を投票できません。
  • 投票する

この作家の他の作品

同僚は副社長様

総文字数/49,532

恋愛(オフィスラブ)80ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
『……長瀬、この書類に目を通しておいてくれ。』 「はい」 会社では頼れる上司 常に冷静で仕事をこなすスピードも抜群、仕事の腕もピカイチ そんな、尊敬できる上司は 「副社長?」 『プライベートの時までその呼び方はよしてくれ、美都。』 プライベートでは少しだけ頼りない同僚になる。 仕事面では完璧な彼なのに、私の前でだけは着飾らない自分を見せてくれる。 だから、 どうしようもなく惹かれてしまった。 『杏奈が、結婚するんだ。』 「え…」 『俺じゃない、他の男と。』 だけど、 私の恋はいつだって一方通行で 独りよがりで 自分の気持ちを彼のように独白する勇気もない私は そっと、傷ついた彼のそばにいることしかできないのです。 一途女子 × 一途男子 『どうやら俺は、美都がいないとダメみたいなんだ。』 「え」 『好きだよ。公私ともに、俺のそばにいてほしい。』 報われない片想い…じゃないの? え?どうゆうこと? (c) Seori Nonomura.
黒王子は不器用な騎士様!?

総文字数/84,067

恋愛(学園)160ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
『何?お前、颯太のこと好きなの?…ムリムリ、やめとけ。』 『お前見てると、ムカつくんだよ。』 『ちっせーくせに無理すんな、バカ丸出し。』 初めて会ったその日から、 会う度に私に突っかかってくるアイツが ムカついてムカついてたまりません! 顔だけは一丁前に格好良いいのに、 態度も言葉も絶対零度以下。 愛想笑いもできない不愛想っぷり。 『俺以外のヤツにそんな顔すんじゃねーよ。』 『…お前、俺のだろ。』 『こっち向けよ、遥。』 でも、 私だけに見せてくれるアイツの素顔は、 強引で、 俺様気質で、 嫉妬深くて、 不器用で、 ――ちょっぴり優しい人でした。 『俺の隣は遥だけだって決めてんだよ。もうどこにも行くな。』 無愛想な黒王子の不器用な愛で、 私はいつだって、 守られていたんだ――。 武道派女子×黒王子 長編じれじれ 甘さMaxの 学園ラブストーリー (c)Seori Nonomura.
表紙を見る 表紙を閉じる
「お前と付き合うの、退屈すぎてつまんないんだよ」 真面目と謙虚さだけが取り柄だった地味子時代 当時付き合っていた彼からこっぴどくフラれた時に 地味子卒業を誓って10年 メイクにファッション、モテ仕草…充分に女子力を上げてきた 「…アンタもこっち側の人間だろ」 「何、を…」 「無理して飲み会に行ってんの、分かってるから」 会社の宴会なんてガヤガヤとした場所には不向きな後輩を気にかけたら 一瞬で元・地味子がバレちゃった?! 「俺は、”皆の北川さん”より、こっち側にいるアンタの方が好きだな」 しかも、カンペキ女子を演じてる時の私よりも、地味子の私の方が好き、だなんて…?! 「む、村雨くん…女の趣味悪いって言われない?」 「は?それ、俺が好きなアンタのこと貶してんの?…お生憎様。俺の見る目に狂いはないんでね」 普段はカンペキ女子を演じる元・地味子 × 普段は地味男を演じる高スペック後輩

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop