恋する歌舞伎
折からここへ、杣(そま:きこり)の斧右衛門が仲間たちと共に、母親の死骸を運びこみながら
「この敵を討って欲しい」
と懇願する。

その死骸をよく見ると、なんと弾正が孝行したい母だと言い同行していた老女であった!

弾正は六助の優しさにつけ込み、斧右衛門の母を自分の母だと嘘をつき、六助に勝ちを譲ってもらうという計画を実行。

用済みとなった老女を殺害したのである。

しかもお幸の所持していた人相書と、お園が所持する妹の死骸に落ちていた臍緒書(ほぞのおがき:今でいう出生証明書)から、

弾正こそ、一味斎を殺害した京極内匠という男であることがわかる。

怒りにうち震える六助は、一味斎とその家族であり妻となったお園の敵討ちを遂げるため、衣服を改め、敵の後を追うのだった。

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