クロ * Full picture of the plan * Ⅳ

大石和月 side




輝たちが出ていって5分くらいが経っただろうか。



それでも誰も口を開こうとせず、倉庫はシーンと静まり返っている。



…まあ、無理もないだろう。



今日は数時間で色んなことがありすぎた。



向日葵が5つの人格を持っていて、憧れだった族潰しの刹那で、殺し屋の光陰と罪で、、。



伊織さんがスパイで、琥珀、陽向、響、天、輝も殺し屋で、彼方さんと葉亮さんと響が昔の親友で……



…色んなことがあって、頭が混乱している。



今の状況すらまだ呑み込めてない。



…呑み込むことなんて、出来るはずがない。



いきなり仲間が殺し屋だと言われて、はいそうですか。ってなるわけがない。



尊敬する人がスパイだと言われて、信じられるわけがないんだ。



……それでも、ただ一つだけは理解が出来た。



俺たちは裏切られていたのだろう。



スパイをやっていて、殺し屋をやっていて、俺たちと一緒にいた。



……でも、何故だろう。



不思議と裏切られていた気がしない。



裏切られていたのは事実なはずなのに。



…俺は今でもあの人たちを仲間だと思っている。



………だからかな。



身体が勝手に動いてたんだ。


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